福島県広野町が導入「マゴコロボタン」 6月運用開始で利用希望の高齢者に説明会

 

鈴木さんの説明を聞きながら、マゴコロボタンを押してみる豊島さん(右)

 

2023/05/29 20:00

 

 福島県広野町が1人暮らしの高齢者の安否確認と福祉サービスとして6月に運用を始める専用端末「マゴコロボタン」の説明会が29日、町老人福祉センターで開かれた。お年寄りが使い方に理解を深めた。民間事業者のIoT(モノのインターネット)技術を活用し、「福祉の町」を実現していく。

 町は、マゴコロボタンを使った福祉サービスを展開しているMIKAWAYA21(本社・東京都)と6月1日付で事業契約を結び、同月中旬から運用開始する。町によると、町内に住む75歳以上の1人暮らし128世帯のうち、約30世帯が利用を希望している。

 端末を各家庭のコンセントにつなぐと、町と双方向のネットワークがつながる。「今日は○月○日○曜日です」「今日の天気は○です」「薬を飲む時間になりました」など、暮らしの情報を提供する。台風や緊急地震速報の災害情報、熱中症アラートメッセージなど求める内容を音声で案内する。ボタンを押すと、安否確認にもつながる。

 町は町社会福祉協議会の軽度生活援助サービスとも連携させ、ボタンを2回押すと在宅で福祉サービスを利用できる体制をつくる。

 説明会には利用を希望する13人が参加した。松本正人副町長があいさつした。町健康福祉課保険年金係の秋田さとみ主査がボタン導入の目的を説明。MIKAWAYA21の鈴木孝英取締役が具体例を踏まえて使い方を示した。町からの情報発信だけでなく、スマートフォンのLINEと連動してメッセージを双方向に送る機能も実践して見せた。

 町広洋台の豊島秋子(ときこ)さん(82)は「音声を流してもらうと安心感につながる。もっと詳しく説明を聞きたい」と語った。

 

関連記事

ページ上部へ戻る