福島県内、新型コロナワクチン接種4日開始 7施設の医療従事者向け、確保は対象の2割
新型コロナウイルスのワクチン接種を巡り、福島県内の医療従事者向けの接種は四日に始まる。県は国から最初に配分される七箱(六千八百二十五人分)について地域バランスを考慮し、県北、県中、県南、会津、いわきの医療機関の計七施設に一箱(九百七十五人分)ずつ割り当てる。翌週に届く七箱分を合わせて県内全域の計二十三施設の医療従事者にワクチンを行き渡らせ、地域医療を守る体制を強化する。
県によると、二回接種の初回分として福島県に配分される新型コロナワクチンの十四箱(一万三千六百五十人分)のうち、七箱が四日から五日にかけて届く見込み。県が配布対象施設を決めた。大原綜合病院(福島市)、星総合病院(郡山市)、会津中央病院(会津若松市)、いわき市医療センターと非公表の三施設に一箱ずつ配布する。
ワクチンが届き次第、各施設の判断で対象者を決めた上で順次接種を進める。星総合病院や会津中央病院はワクチンが届く四日に接種を開始する。
第二弾として八日の週に届く七箱については、一箱を複数の医療機関で分けるなどして十六施設の医療従事者が接種を受けられるようにする。八日の週までに県内六つの二次医療圏全てにワクチンを行き渡らせる。二次医療圏ごとのワクチン接種を始める医療機関数は【図】の通り。
県は新型コロナの院内感染などで医療提供体制が制限される事態を防ぐため、各地域で三次救急や二次救急を担う医療機関や新型コロナ対応に当たる医療機関に優先的にワクチンを配布する。施設名の公表に伴う混乱や受診控えなどの影響を懸念し、配布先は一部の医療機関を除き非公表としている。
国は発症予防効果を高めるため、三週間の間隔を置いてワクチンを二回接種する必要があるとし、県も二回接種を前提に準備を進めている。医療従事者向けのワクチンは基本的に納入業者から医療機関に直接届く仕組みで、二回目分は最初の配送から三週間後となる二十二日の週と二十九日の週にそれぞれ納入される予定。
ただ、県内の対象者は約七万人となっており、現時点で接種の見通しが立っているのは二割程度にとどまっている。県は国に対し、対象者全てが接種を受けられる量の確保を引き続き求める方針だ。
一方、市町村が実施主体となる六十五歳以上の高齢者向けのワクチンについて、厚生労働省はワクチン管理で現場が混乱しないよう二回分をひとまとめにして配分数を決めている。四月五日の週から三週にわたり計二十二箱が配分され、県内の対象者約五十八万人のうち一万七百二十五人が二回接種できる。
四月以降は、医療従事者向けと高齢者向けを並行して接種を進める。