原発事故でビッグパレットに避難 住民の言葉朗読 NPO富岡3・11を語る会
東京電力福島第一原発事故で郡山市のビッグパレットふくしまに避難した富岡町と川内村の住民の言葉をまとめた朗読劇「生きている 生きてゆく~ビッグパレット避難所記より~」は十六日、広野町のふたば未来学園中・高で開かれた。
「桜並木きれいだよな。富岡に戻るのはあきらめてるんだ」。記録本「生きている、生きてゆく ビッグパレットふくしま避難所記」に収められた避難者のつぶやきを、出演した町民らが思いを込めて読み上げると、客席からはすすり泣く声が漏れた。
台本と演出は、主催団体のNPO法人富岡町3・11を語る会代表の青木淑子さんが担当。町民やふたば未来学園高生ら出演者約三十人が約二カ月間の稽古の成果を披露した。来場した富岡町の黒須美智子さん(78)は「避難生活の思い出がよみがえり胸が熱くなった」と興奮気味に語った。
十六日は川内村が全村避難になり、富岡、川内両町村の住民がビッグパレットふくしまに避難してからちょうど十年に当たる日。出演した富岡町の西山栄子さん(68)は当時、ビッグパレットふくしまで一カ月以上寝泊まりした。「当時の避難所の情景を思い起こしながら表現を磨いてきた。避難していた人たちの思いは伝わったと思う」と語った。