大熊町大川原地区で酒米の苗植え 熊地区でも試験栽培 昨年に続き二回目

 

 福島県の大熊町農業委員会と町は十日、町内の大川原地区で酒米「五百万石」の苗を植えた。同地区での酒米の田植えは昨年に続き二回目。 

 栽培面積は昨年度より二十二アール広い六十五アール。農業委員会職員や町職員が五百万石の苗を植えた。収穫する酒米は会津若松市の高橋庄作酒造店で日本酒に醸造される。昨年度は贈答やPR用の試作品として造ったが、今年度は商品として販売する方針。 

 また、帰還困難区域の特定復興再生拠点区域にある熊地区で、昨年に続いて二回目となるコメの試験栽培が行われている。参加者が三アールの水田にコシヒカリの苗を植えた。コメは除染の効果を確認するために使い、残りは全て廃棄する。コメから検出された放射性物質の濃度が基準値以下だった場合、拠点全域の避難指示解除を目指す二〇二二(令和四)年にも出荷・販売が可能な実証栽培に切り替える。 

 大熊町農業委員会の根本友子会長は「担い手の確保や設備の整備などの課題と向き合いながら、営農再開できるように努めたい」と語った。

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