コロナ病床496床に拡大 福島県、27床増

 

 県は二十日、新型コロナウイルスの感染者を受け入れる県内の病床について四百六十九床から二十七床増やし、四百九十六床にしたと発表した。コロナ病床の増床は通常医療を圧迫するが、コロナ感染者が入院できる体制を維持し、県民の命と健康を守るために必要と判断した。

 県はこれまで医療機関の協力を得ながら病床数を段階的に増やしてきた。だが、病床使用率は感染状況が最も深刻なステージ4(爆発的感染拡大)の指標「50%以上」を二十八日連続で上回るなど逼迫(ひっぱく)した状態が続いている。

 また、県は新型コロナ対応病床四百九十六床全てを患者がすぐに入院できる「即応病床」にした。これまでは四百五十六床だった。即応病床以外の病床は新型コロナ以外の入院患者が利用しているケースがあり、新型コロナ感染者をすぐに受け入れるのが難しい場合があった。

 内堀雅雄知事は二十日に県庁で開いた県新型コロナ感染症対策本部員会議で、県内の感染状況について「依然として厳しい状況が続いている」と強調した。少しの気の緩みがさらなる感染急拡大や医療提供体制の崩壊を招く可能性があると指摘した。

 県感染症対策アドバイザーを務める福島医大感染制御学講座の金光敬二教授は「(感染状況は)ピークアウトしたように見えるが、短期間で以前のような状態に戻ることも考えられる」と指摘。「感染防止対策の集中を切らさないでほしい」と述べた。

関連記事

ページ上部へ戻る