福島県浪江駅で22日からエビ養殖開始 JRの経営資源活用し産業創出
JR浪江駅の陸上養殖システムの設置イメージ(JR東日本水戸支社提供)
2022/02/09 21:06
JR東日本水戸支社とJR東日本スタートアップ、陸上養殖システムの開発・製造などを手掛けるARK(東京都)は22日から、JR常磐線浪江駅でエビの陸上養殖を開始する。同支社によると、駅での水産養殖の取り組みは国内初。2020(令和2)年に全線開通した常磐線の浪江駅を舞台に、新たな地場産業の創出を目指した実証実験が始まる。
ARKは、駅や鉄道などJR東日本の経営資源を活用したビジネスアイデアを募る「JR東日本スタートアッププログラム」に採択され、同社と資本業務提携を締結。JR東日本から土地の提供を受け、浪江駅敷地内に小型の陸上養殖システムを設置し、食用のバナメイエビを育てる。3月中旬からエビの稚魚約3000匹を搬入し、養殖をスタートさせる。養殖装置は太陽光発電などの再生可能エネルギーで電力を賄い、収穫時以外は遠隔管理する。
水戸支社などによると、養殖システムは車1台分の駐車スペースがあれば設置・稼働することができ、無人駅を産業拠点に活用できる可能性があるという。生育したエビは列車を使って輸送し、エキナカ店舗での販売を想定している。今後は浜通りの漁港や沿線自治体などと連携を強め、各種イベントやエビの活用法を検討する。
ARK共同創業者の栗原洋介さん(37)は「技術を活用しながら、水産資源の新しい地産地消モデルの構築を目指す」と語った。