処理水巡りIAEA調査団が検証・評価開始 東電福島第一原発 15日に現地入り

 

経産省で開かれたIAEA調査団と日本政府、東京電力の会合であいさつするカルーソ氏(中央)=14日午前(経産省提供)

 

2022/02/14 22:40

 

 東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出に関する安全性を検証・評価するために来日した国際原子力機関(IAEA)の調査団が14日、調査を開始した。今回の調査は18日までで、15日には福島第一原発を現地調査する。

 調査団には、放出に懸念を示している中国、韓国の両国を含む8カ国の国際専門家8人、IAEA事務局職員の計15人が参加。初日は経済産業省で同省、外務省、東電との会合に臨み、東電から処理水の性状、海洋放出に当たっての安全対策などを聴取した。

 冒頭でIAEAのグスタボ・カルーソ原子力安全・核セキュリティー局調整官は「IAEAの国際的な安全基準を順守しているかを見ていく。客観的で科学に基づいた評価を透明性を持って行う」とあいさつした。

 調査団派遣は昨年12月中旬を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大で延期されていた。今後も複数回、来日して調査した上で(1)放出される水の状態(2)放出過程の安全性(3)人と環境への放射線の影響-について評価し、年内にも中間報告書をまとめる。

 政府の海洋放出方針を巡っては、福島県内では漁業者を中心に新たな風評の発生への懸念や慎重な対応を求める声が根強い。

 

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