震災の風化防ぐ「音のVR」をウェブ配信 福島の原町高とふたば未来学園中・高の吹奏楽部
昨年末に収録した演奏風景。会場の様子が360度の動画で楽しめる
2022/03/02 16:47
東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から11年を前に、福島県の原町高吹奏楽部とふたば未来学園中・高吹奏楽部による演奏の配信が1日、最新のデジタル技術「音のVR(仮想現実)」を活用した専用アプリで開始された。iPhoneなどの画面に触れると、360度の動画の見たい、聴きたい部分に近づいたり遠ざかったりでき、臨場感あふれる演奏を楽しめる。
KDDI東北総支社とKDDI総合研究所が「震災を忘れない」「風化させない」をテーマに、「『心をつなぐ』音のVRツアー」と題して企画。新型コロナウイルスの感染拡大により、演奏の機会が失われた中高校生に発表の場を提供した。
収録は昨年末、双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館で行われた。原町高吹奏楽部とふたば未来学園中・高吹奏楽部の生徒合わせて33人が、猪苗代湖ズの曲「I love you&I need you ふくしま」を演奏。ミュージシャンの渡辺俊美さん(川内村生まれ、富岡町育ち)が歌った。
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「音のVR」はKDDI総合研究所が開発した技術。視聴するには専用アプリのダウンロードが必要で、iPhone、iPad、iPod touchで利用できる。
アプリとは別にインターネット上で、収録の様子や関係者のインタビューを収めた記事やメイキング動画が公開されている。