日本初のアンモナイト化石発見 福島県立博物館の研究グループ いわきの体験発掘現場から

 

日本で初めて発見された「ハイファントセラス フレクソサム」の近似種の化石

 

2022/03/28 21:18

 

 福島県会津若松市の県立博物館の猪瀬弘瑛主任学芸員(38)ら研究グループは、いわき市アンモナイトセンターの体験発掘現場などから、約8900万年前の貴重なアンモナイトの化石4種を発見した。このうち1種は日本初の発見で、もう1種も県内初。同博物館が28日、発表した。

 日本初の発見となったのは「ハイファントセラス フレクソサム」の近似種。ヨーロッパでしか発見されておらず、日本のアンモナイトがどういった地域とつながっていたのか、解明する1つの手がかりになるという。

 県内初は「エゾセラス エレガンス」。昨年、北海道の地層(蝦夷層群)から初めて見つかった。今回の化石はそれより数百万年前の地層から出土しており、これまで知られているよりさらに広い地域で、より古い時代から生息していたことが分かった。

 このほか、希少な「ヤベイセラス オリエンタレ」と「ユーボストリコセラス インドパシフィカム」も見つかった。

 いわき市アンモナイトセンターは双葉層群足沢層という地層の上にある。センターでは実際の地層で一般向けの発掘体験を実施している。このうち、いわき市と県立博物館に寄贈された化石の中に「ヤベイセラス-」が含まれているのが分かり、昨年春からグループで詳しく調べていた。

 猪瀬氏は「発掘体験で発見される化石の中には貴重なものも含まれる。研究者と一般利用者の協力が発見につながった」としている。

 「ハイファントセラス-」などは4月23日から同博物館で開催する企画展「アンモナイト合戦」で展示する予定。

 

関連記事

ページ上部へ戻る