絵本「くじらのなみだ」を自費出版 福島県いわき 小野浩さん、野村たかあきさんが合作
出版した絵本をPRする小野さん
2022/05/30 21:03
江戸時代の古式捕鯨を研究している小野浩さん(福島県いわき市小名浜)は、捕鯨を中心に海と命の大切さをつづった絵本「くじらのなみだ」(税別1500円)を自費出版した。
小野さんはいわき市立草野心平記念文学館学芸員や市暮らしの伝承郷館長を務めた。現在は群馬県立女子大の非常勤講師を務めている。
絵本作家の野村たかあきさんと同作品を合作した。小野さん自身の子どもへ向けて手に取った一冊の絵本が偶然野村さんの作品で、その後、同記念文学館勤務時代に野村さんの「絵本展」があったことがきっかけで交流が始まった。絵本を作りたい思いがあった小野さんは野村さんに働きかけ、今回の出版につながった。
海に生きる鯨を題材に、人間と生物、そして海とのつながりを優しいタッチで描く。いわきの漁業を象徴する一冊となっている。
小野さんは「野村さんとの偶然の出会いから生まれた作品で、地域の生業(なりわい)を絵本を通して伝え、多くの子どもたちに知ってほしい」と話す。今後は市内の小学校にある図書室に寄贈する予定だ。