花いっぱいの大熊に 福島県大熊町で再生運動始動 世界的庭園デザイナー石原和幸さんが考案
クマ・プレにタピアンの苗を植えた石原さん(前列中央)ら
2022/09/18 21:25
福島県大熊町で17日、英国のエリザベス女王に称賛された世界的庭園デザイナー石原和幸さん(64)が考案した「花いっぱい運動」が始まった。町内各地に花を植え、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興が進むまちを美しい自然で彩り、交流人口拡大や地域再生につなげる。石原さんは「花で地域に明るさや元気が生まれてほしい」と願う。
石原さんは長崎県出身。東京都などを拠点に活動し、国内外の庭園デザインを数多く手がける。8日に死去した英国のエリザベス女王と交流があり、高い技術やデザイン性から「緑の魔術師」と称賛された。最も権威がある英国のコンテスト「チェルシーフラワーショー」で金メダルを11度も獲得している。
知人を介し、昨年秋に初めて町内を訪れた。緑があふれる一方、花の少なさにもどかしさを感じた。「まちを花でいっぱいにし、地域を元気にしたい」。「大勢の人に幸せになってほしい」と花の色は「幸運の黄色」を中心に植えると決めた。
活動に賛同した町民有志らが集まり、「イエロー・マジック・オオクマ(仮称)」を組織した。17日、町内下野上の地域活動拠点「KUMA・PRE(クマ・プレ)」で初の活動に励み、石原さんら約30人がタピアンの苗約100株を植えた。
石原さんは今後も定期的に町内を訪ね、特定復興再生拠点区域のJR大野駅周辺にヒマワリの種などを植える予定だ。「花が人を呼び、住もうと思ってもらえるようなまちになるよう活動していきたい」と決意する。