高校生目線で処理水放出考えよう 浜通り会議、Jヴィレッジで始まる 福島県楢葉町

 

野崎会長から話を聞く高校生=Jヴィレッジ

 

2022/11/14 17:34

 

 福島県内の高校生が東京電力福島第1原発で増え続ける処理水の海洋放出計画について考える「ふくしま浜通り高校生会議2022」は13日、Jヴィレッジ(楢葉・広野町)で開かれた。県漁連の野崎哲会長が講師を務め、「福島の海を生業(なりわい)とする県漁連として海洋放出に反対」の立場を強調した上で、「福島の地に暮らす者として、安全で完全な廃炉を望む」と願った。

 広野町のNPO法人ハッピーロードネットの主催。高校生12人が来年1月まで、東電や大学、国などの関係者の話を聞く。

 野崎会長は原発の立地から事故が起きるまでの原発と漁業者との関係、変遷を説明。反対の立場を強調した上で、国、東電の説明にしっかり耳を傾けていく考えを示した。若い世代に、「この土地で暮らしていく上で、長い間つむぎ合ってきた経過を見てほしい。廃炉完成後、漁業がどんな景色になっているか、関心を持って見届けてほしい」と呼びかけた。

 高校生からは「処理水の海洋放出で風評被害が生じた場合の賠償基準で、東電が風評被害の有無を判断するのはどうなのか」「12日に原発を視察した。海洋放出決定から海底トンネル掘削までの工期が早いのではないか」などの質問があった。

 福島大行政政策学類の今西一男教授も講話した。福島大教育推進機構高等教育企画室の前川直哉准教授がアドバイザーとして、会議を進行した。

 ▽参加者=神谷菜月(磐城)鈴木亜斗夢、阿部成美、愛沢美優(磐城桜が丘)石上琴乃(ふたば未来学園)新妻一真(原町)武田隼輔、坂本卓海(安積)小林絵怜菜、相楽ひなの(須賀川桐陽)瀬谷澪音、栃本龍生(白河)

 

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