試験用水田27アールにコメの苗を植え付け 福島県飯舘村長泥行政区

 

試験用水田に苗を手植えする参加者

 

2023/05/23 20:21

 

 環境省は23日、東京電力福島第1原発事故に伴う除染土の再生利用事業で、福島県飯舘村長泥行政区の試験用水田27アールに苗を植え付けた。同省は2021(令和3)年度から小規模な水田で実証試験を進めてきたが、大きい区画では初めてとなる。

 水田は村内の除染で生じた1キロ当たり5000ベクレル以下の土を再生資材化して盛り土し、汚染されていない土で50センチほど覆って造成した。排水性や地面の耐久性など水田の機能面を確認する。この日の作業には住民を含む関係者約40人が参加し、県オリジナル米「里山のつぶ」の苗を植えた。

 長泥行政区では1日に特定復興再生拠点区域(復興拠点)など一部区域の避難指示が解除された。参加した地元住民の庄司正彦さん(66)=福島市に避難=は「営農再開に向けて動き出してきた。新規就農者の増加などにつながればうれしい」と話した。

 環境省は9月下旬ごろに稲を刈り取り、放射性物質検査などを行う。

 

関連記事

ページ上部へ戻る