ゴルフで世界に羽ばたけ ジュニア育成へ「アプローチ練習エリア」今春新設へ 福島県いわき市の五浦庭園CC
広大な敷地に整備されるアプローチ専用練習エリア
2024/02/04 10:32
地域に開かれた練習場として多くの人にゴルフの魅力を伝えていくと誓う小野支配人
ゴルフ人口拡大やジュニア育成に向け、福島県いわき市勿来町の五浦庭園カントリークラブ(CC)は今春、「アプローチ」の専用練習エリアを新設する。グリーン周辺からピンに寄せるアプローチ技術は成績向上に不可欠だが、上達には育成段階からの練習が鍵となる。専用施設を整え、打ち込める環境を提供。地域の学校に開放するなど競技に親しめる場として浜通りから国内、世界に羽ばたくゴルファーを育てる。
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練習エリアは「より実践的な練習を積める場所を作りたい」とプロゴルファーの中嶋常幸さん、弟で五浦庭園CC代表の中島和也さんが監修。駐車場などに使っていたサッカーコートより一回り広い約8千平方メートルを転用し、昨春から1年がかりで整備しており、大型連休ごろの開所を見込む。
グリーンそばのガードバンカーや高低差の激しいバンカー、打ち下ろすバンカーなど3通りのバンカーを配置。芝の刈高はフェアウエーとそろえ、「つま先上がり」「つま先下がり」など幅広い体勢からのショットを磨ける。
中嶋プロによると、ドライバーやアイアン、パター練習場を持つゴルフ場はあるが、アプローチに特化した練習施設は少ない。昨年、国内ツアーで初制覇した蛭田みな美プロのキャディーとして全国を巡る父宏さんは「この規模の練習施設は見ないし、設計も素晴らしい。多くの人に活用してほしい」と太鼓判を押す。
コース利用者に加え、専用練習エリアのみを使うプランや合宿向けの貸し切りなど、プロを志す若者が専念できる活用法を探っている。昨年秋には中嶋プロを講師に催した合宿で試用し、中高生が整備中のエリアで汗を流した。中嶋プロは「上達のヒントをつかむ場にしてほしい」と願う。
五浦庭園CCは新施設を地域貢献や競技の普及に生かす考えだ。市内の小中学校などに開放し、ゴルフになじみのない子どもが楽しさや魅力に触れる機会を提供する。スナッグゴルフ体験会なども構想している。いわき市の蛭田翔心さん(9つ)は月2、3回、父親と練習場に通い、打ちっぱなしを楽しんでいる。「練習場と違って山や砂があって面白そう。早くここでやってみたい」と目を輝かせる。 同CCの小野勝哉支配人(54)は「地域により開かれたゴルフ場を目指す。大勢の人に訪れてもらい、競技の発展に貢献したい」と意気込んでいる。