【震災・原発事故13年】所有者不明の墓石423点順次処分 福島県双葉町・中野共同墓地 関係者ら供養

 

処分を前に墓石を供養する関係者

 

2024/07/17 10:59

 

 福島県復興祈念公園の整備に伴い、福島県は双葉町中野地区の中野共同墓地に残る墓石423点を処分する。東日本大震災の津波被害を受けた墓石で、警察や町などを通して所有者を探したが見つからなかった。地元の浜野行政区の理解を得た上で処分を決めた。17日以降、順次撤去する。16日、現地で関係者らが供養した。

 中野共同墓地には約30世帯の墓があった。津波により墓石や石仏が散乱し、周辺のがれき撤去の過程で敷地内に並べられ、そのままになっていた。県が昨年9月、墓石の遺失物届を双葉署に出し、今年2月には双葉、浪江両町の広報誌でも呼びかけたが、所有者は現れなかった。一帯は今後、公園の多目的広場の一部として芝生が敷かれる。

 16日の供養は「墓じまい」として行われ、浜野行政区や公園の工事関係者らが焼香した。行政区長の高倉伊助さん(68)は「本来はそれぞれの家に返してあげるべきだが、月日がたち難しいのが現状だ。供養ができ、先祖も安心していると思う」と話した。その上で、「先祖が空の上から地域を見守り、健康や安全を願ってくれていると信じている」と述べた。

 公園は双葉、浪江両町にまたがる。2025(令和7)年度中に完成する予定。

 

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