らーめん祿屋開店 飲食で復興支える 店長の笹山さん「地域に愛される店に」 福島県富岡町

 

豚骨のうま味が漂う背脂醬油ラーメン

 

2024/08/04 19:00

 

浜通りを元気づけ、地元に愛される店を目指すと話す梅田さん(左)と笹山さん

 

 福島県富岡町本岡で7月29日、「らーめん祿屋(ろくや)」が開店した。町出身の店長笹山晃人さん(27)は「(震災後)町並みは変わり、飲食店も少なくなった。地域を元気づける愛される店にしたい」と話す。

 いわき市に本社を置く建設業「F・Iテックス」が経営する。飲食業への進出は初の試みだ。社長の梅田健一郎さん(46)=いわき市出身=は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興に関わるという強い信念がある。

 双葉町の発電所関連企業に勤め、10代の頃から原発構内で働いた。震災発生後は民間の第1部隊として事故対応の指揮にも当たったという。2016(平成28)年に同社を起業。浜通りに、にぎわいを生む事業に取り組もうと考え、ラーメン店勤務の経験ある社員がいたことなどから挑戦を決意した。富岡町への出店は思いを果たす第一歩だ。

 幼少期を富岡で過ごし、いわき市のラーメン店で経験を積んだ笹山さんらと試行錯誤し、幅広い世代が楽しめる一杯を追求した。豚骨系の澄んだ清湯、濁りのある白湯の2種のスープが特徴で、調味料を数グラム単位で調整し見栄えにもこだわった。メニューにはしょうゆ、塩、みその各種ラーメン(900円)や背脂系、白湯系。チャーハンや丼もの、ギョーザも並ぶ。

 開店初日は家族連れや昼休みの会社員らでにぎわった。町に住む笹山さんの祖父も来店。「付近にラーメン店や飲食店が少ないからありがたいよ」と声をかけられたという。休日の外食を楽しめるようにと日曜営業にもこだわった。梅田さんと笹山さんは「地元の方々がどんどん集まってにぎわう店にしたい」と思いを一杯に注いでいる。

 住所は富岡町本岡関ノ前200の1。営業時間は午前11時から午後9時(ラストオーダーは午後8時30分)。水曜日定休。

 

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