炊き出しに涙、福島県南相馬市の男性探す どんどん焼き提供の工藤社長(山形市)

どんどん焼きの炊き出しに涙した男性を探す工藤社長
2025/10/05 10:33
炊き出しに涙してくれた南相馬の男性に会いたい―。山形県名物「どんどん焼き」を提供する「CoCo夢や」(山形市)の工藤真一社長(69)は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故発生直後、山形市での炊き出しに涙した福島県の被災者男性を探している。
工藤社長は震災と原発事故発生から約2週間後の2011(平成23)年3月24日、福島県からの避難者が身を寄せる山形市総合スポーツセンターでの炊き出しに協力。水で溶いた小麦粉を鉄板に薄く伸ばして焼き、割り箸に巻いてソースを付けた「どんどん焼き」を従業員と共に約600本作った。
その日の夕方、どんどん焼きを食べて「懐かしい」と涙する南相馬市の男性の姿が地元テレビ局のニュースで放映された。食事の受け渡しは別のボランティアだったため、工藤社長は初めて避難者の反応を知った。「ソースと小麦粉の味に、どこか懐かしさを感じてくれたのかもしれない」と推測する。
涙の理由を知りたいと、交流サイト(SNS)などで発信してきたが、手掛かりは見つかっていない。9月21日には福島市で開かれた「奥羽新幹線みらいフェス」に出店し呼びかけた。男性は当時60~70代に見えたといい、発災から15年を前に無事を案じ、「もう一度、どんどん焼きを食べてほしい」と願っている。
問い合わせは工藤社長へ。