金魚「らんちゅう」品評大会で2部門最高賞 福島県楢葉町の松本さん 理想の一匹追い続け栄冠

飼育するらんちゅうを前に最高賞を喜ぶ松本さん。理想の一匹を求める世話が生きがいと話す
2025/10/09 16:20
福島県楢葉町の松本貴男さん(54)は金魚の一種「らんちゅう」の品質を競う一般社団法人日本らんちう協会の「東部品評大会2025」の2部門で最高賞の優等賞に輝いた。松本さんは「絵に描いたような理想の一匹を追い続けている。終わりがないから面白い」とやりがいを口にしている。
大会は9月21日に埼玉県狭山市で開かれた。東日本の愛好者から3部門に計120匹超が出品された。見た目の美しさや愛くるしさ、優雅な泳ぎ方などが審査された。
生まれて2年目を対象にした「弐歳魚之部」、3年目以上の「親魚之部」で松本さんが優等賞に輝いた。生まれて1年以内の「当才魚之部」では優等賞に次ぐ壱等賞に入った。この3匹を含めて計15匹が入賞した。
松本さんは約40年前から飼育している。水温の管理や餌やり、品評会を想定した泳ぎ方の特訓など、早朝から愛情込めて管理に励んでいる。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故では避難し、育てていた多くのらんちゅうを失った。生き残った5匹が今につながっている。
昨年秋、病に倒れ、手術後すぐの全国品評大会に出場した。懸命に育ててきたらんちゅうを勝負させたい一心だった。今大会で上位に入賞した魚たちは、その子どもたちで思いもひとしおだった。
東日本などの愛好者を中心に結成した東北愛蘭会の代表を務めている。11日午前10時からは大熊町のCREVAおおくまで品評会を開く。先着順で来場した子どもたちにはらんちゅうをプレゼントする予定。