伝統のサケ漁…漁獲わずか1匹 福島県楢葉町の木戸川 かつては年間10万匹、大幅減続く

合わせ網漁でサケを捕獲した組合員
2025/11/19 09:57
福島県楢葉町の木戸川漁協は18日、伝統のサケ漁「合わせ網漁」を行った。全国的に不漁が続き、網に入ったのは1匹だった。木戸川の今季の漁獲量は13匹と、年間10万匹を超えていた最盛期から大幅減が続いている。
合わせ網漁は下流に仕掛けた網に向かい、上流から網でサケを追い込む伝統漁法。18日は河口周辺と漁協付近に設置したやな場周辺で行い、組合員約10人が川に入り、50メートルほどの距離を追い込んだ。
木戸川のサケの漁獲は平成初期には年間10万匹以上を誇り、東日本大震災発生前まで年間約7万匹のサケが取れていた。一度の合わせ網漁で数千匹を捕まえたという。東京電力福島第1原発事故に伴い稚魚の放流を休止した影響などから年間漁獲量は減少。8千匹ほどで推移していたが、ここ5年間は千匹を割り、昨年は153匹にとどまった。
サケは4年後に放流した川に戻るとされる。漁協鮭ふ化場長の鈴木謙太郎さん(43)は来年から放流を増やした稚魚が戻る時期に入るとした上で「極端に増えはしないと思うが、期待を持って準備を進めたい」と話した。木戸川のサケ漁は11月末まで投網を使った漁が行われる予定。




