楢葉で再開 海鮮四季工房きむらや
楢葉町の海鮮四季工房きむらやは11月16日、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故発生以来、約9年8カ月ぶりに町内井出の本店で営業を再開した。社長兼総料理長の木村重男さん(62)は「旬の魚を楽しみながら、ゆったりとくつろげる店にしたい」と決意を新たにしている。
同店は昭和30年代の創業。
当初は楢葉町のJR竜田駅前の鮮魚店だったが、地魚を売りにした料理の提供を始め、海鮮料理の名店として住民に愛されるようになった。
震災発生後、木村さんはいわき市に避難。
2011年7月に市内で仕出しセンターを開き、翌年1月にはJRいわき駅前で海鮮料理店の営業を再開した。「常磐もの」をはじめ、こだわりの食材を使った料理は新天地でも人気を集め、2016年4月には近くのより広い店舗に移転した。
それでも古里への思いが消えることはなかった。
「楢葉町には宴会ができる店が少ない。町民がゆっくりと食事を楽しめる場を提供したい」。創業の地である竜田駅前に本店を新築し、開店準備を進めてきた。
開店日の11月16日は再開を待ち望んでいた近所の住民らが次々に訪れ、昔話に花を咲かせた。「これからが本番。おもてなしを大切にし、町を少しでも明るくしていきたい」と力を込めた。
■ 海鮮四季工房 きむらや
営業時間等:https://ex.hamasakoi.jp/archives/restaurant/kimuraya/
法事など昼の予約も受け付けています。