1500人超若年層急拡大 新たに35人半月余りで500人増 新型コロナ福島県内感染

 

 県は県内で三十五人の新型コロナウイルス感染が確認され、累計千五百十八人になったと二十日、発表した。三十五人の陽性は十九日に判明した。累計感染者は半月余りで五百人増加し、特に二十代をはじめ若年層の感染が急拡大している。県は年末年始の会食などが要因とみて、不要不急の外出自粛など行動の抑制を求めている。確保病床の使用率は60%程度の水準まで上昇し、医療機関の病床は逼迫(ひっぱく)度合いを増している。

 県内における直近三カ月の年代別の新型コロナ感染者数は、二十代は十一月が二十三人で五十代に次ぐ二番目だったが、十二月に百四人、今月は十九日現在で百十五人と急増し、年代別で最も多くなった。昨年十二月以降は十代と三十代の増加傾向も目立ち、今月は十~三十代だけで全体の46・3%を占めている。

 県は若年層の感染者が増えている要因の一つに、年末年始の帰省や会食に伴う普段一緒にいない人との接触があると分析。大人数での会食や、食事の際のマスクを外した状態での会話により感染が拡大したとみている。コロナ対策が日常化している中での「気の緩み」も影響しているという。

 一方、累計感染者が千人を超えた今月三日時点での確保病床四百六十九床に対する使用率は45・4%だったが、十九日現在では59・9%となり、14・5ポイント上昇した。十七日間のうち、一日当たりの新規感染者が三十人以上となった日は半数超の九日を占める。退院者や宿泊療養施設の退所者を上回る日が相次ぎ、病床を圧迫した。県は病床逼迫を解消するには、日々の新規感染者を十人程度に抑える必要があるとみている。

 県は飲酒を伴う会食など人と人の接触機会を減らすため、二月七日まで緊急事態宣言対象地域と同等の強い対策を講じている。全県民に不要不急の外出自粛を求め、特に午後八時以降は徹底するよう呼び掛けている。酒類を提供する飲食店に対しては営業時間を午後八時までに短縮するよう要請している。

 県新型コロナ対策本部の担当者は「一人一人の行動抑制が重要になる。感染拡大に危機感を持ち、予防に努めてほしい」と訴えた。

 ■インフル患者1人増え2人 福島県感染症週報

 県は二十日、今年第二週(十一~十七日)の感染症発生動向調査週報を発表した。県内八十三の定点医療機関から報告のあったインフルエンザ患者数は二人で前週から一人増えた。県内九つの保健所管内別では、郡山市と県中が各一人だった。

 ■南会津・川俣クラスター拡大 新型コロナ県内感染

 県が二十日に発表した新型コロナウイルスの新規感染者三十五人には、クラスター(感染者集団)が発生している三施設の関係者十一人が含まれている。

 内訳は南会津町の高齢者通所介護施設「聖光デイサービスセンター」の利用者八人、同町の特別養護老人ホーム「田島ホーム」の職員一人と利用者一人、川俣町の済生会川俣病院の職員一人。それぞれのクラスターは聖光デイサービスセンターが計十九人、田島ホームが計十二人、川俣病院が計十人に拡大した。

 三十五人のうち感染経路不明は四人だった。県発表の三十五人の内訳は次の通り。

 ◆20日発表(19日判明分)▼南会津町・13人=90歳以上無職男性3人、80代無職女性2人、70代無職女性、60代無職女性、50代会社員女性、90歳以上無職女性、30代公務員男性、20代会社員男性、60代会社員女性、30代会社員女性▼下郷町・1人=80代無職男性▼いわき市・4人=20代会社員女性、10代学生男性、30代女性、50代会社員女性▼南相馬市・1人=70代無職女性▼福島市・3人=30代病院職員女性、50代無職女性、30代大学教員男性▼会津若松市・3人=70代自営業男性、60代無職男性、60代無職女性▼会津美里町・2人=50代会社員女性、20代団体職員女性▼郡山市・6人=60代パート従業員女性、10歳未満女性、50代団体職員女性、40代会社員女性、30代女性、60代会社員女性▼須賀川市・1人=50代会社員男性▼矢吹町・1人=40代男性

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