福島県内4人死亡 新型コロナ・13人感染、金山で初確認
福島県は県内で新型コロナウイルスに感染した九十歳以上女性三人と八十代男性の死亡、十三人の新型コロナ感染が確認されたと三日、発表した。女性二人と男性は一月三十日、女性一人は同三十一日に死亡し、十三人の陽性は二日に判明した。死者のうち三人は同じ高齢者施設、一人は医療機関で亡くなった。医療機関以外で死亡が確認されたのは初めて。県内の死者は累計五十人で、感染者は累計千七百五十人となった。
県によると、高齢者施設で亡くなった三人は疾患などがあるため、医師が医療機関への搬送は困難と判断し、施設内で治療を受けていた。施設には医師が常駐していた。
新規感染者十三人にはクラスター(感染者集団)が発生した南会津町の特別養護老人ホーム「田島ホーム」の利用者一人が含まれ、同施設のクラスターは六十九人に拡大した。他に金山町で初めて感染が確認された。
十三人のうち感染経路不明者は六人だった。県が確保している四百六十九床の病床使用率は42・2%。
また県は三日、昨年十二月と一月の月別の死者数を訂正した。一月に死亡日非公表で発表した死者一人について、十二月に死亡したと明らかにしたため。
二日現在、月別の死者数は昨年十二月が一人増え十五人、一月は一人減り二十七人となる。県発表の感染者十三人の内訳は次の通り。
◆3日発表(2日判明分)▼会津若松市・1人=10代男子学生▼いわき市・2人=70代無職女性、70代男性▼南会津町・4人=90歳以上無職女性、10歳未満女性、10歳未満男性、50代無職女性▼金山町・1人=70代無職男性▼郡山市・4人=40代女性、50代会社員女性、60代会社員男性、20代会社員男性▼田村市・1人=70代無職女性
■14人が退院、6人が退所
県内で新型コロナウイルスに感染した入院者十四人が二日までに県内の医療機関を退院した。宿泊療養施設入所者六人も退所し、自宅療養者一人の自宅療養も解除した。県が三日、発表した。
二日現在の入院者は宿泊療養施設入所者を含め二百十人で、このうち重症者は一日から一人減り十一人となった。
■「誹謗中傷やめて」 金山町長、感染確認で呼び掛け
金山町で初めてとなる新型コロナウイルスの感染確認が発表された三日、押部源二郎町長は、感染者らへの不当な対応や誹謗(ひぼう)中傷をしないよう防災無線や町ホームページで呼び掛けた。
「いつ、誰が、どこで感染してもおかしくない状況にある」とし、感染防止対策を徹底し、落ち着いた行動をするよう求めた。
金山町は人口に占める六十五歳以上の割合を示す高齢化率が59・7%で、県内市町村で最も高い。高齢者は新型コロナの重症化リスクが高いとされ、町はこれまで以上に感染拡大への警戒を強める。