聖火リレー25日スタート 震災からの復興発信
新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期された東京五輪聖火リレーは二十五日、Jヴィレッジ(楢葉・広野町)をグランドスタートする。新型コロナ感染防止対策を徹底した上で二十七日までの三日間、県内二十六市町村を巡り、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興状況や福島県の魅力を発信する。
二十六市町村の二十八区間を走る延期前の計画が維持された。通過する自治体の順番やルートを一部変更したため、総距離は一・二キロ長い計五一・七一キロとなる。
初日はJヴィレッジの全天候型練習場を出発する。国内第一走者には震災と原発事故が起きた二〇一一(平成二十三)年のサッカー女子ワールドカップ(W杯)で優勝した日本代表「なでしこジャパン」のメンバーが起用された。大会組織委員会が走者や人数を最終調整している。
県内では三日間で約三百人がランナーを務める。大会組織委は二十四日夕に県内の全ランナーの名前を発表する方針。
聖火リレーは福島県から栃木県につながる。合わせて約一万人のランナーが百二十一日かけ、全国四十七都道府県を回る。
沿道での応援は可能だが、大会組織委と県実行委員会はマスクの着用や周辺の観覧者との適切な距離の保持、大声を出さない応援、県内居住者以外の観覧自粛などを求めている。観覧者の密集が解消されなければ、リレーを一時中断する可能性もある。
ランナーが走行する様子はNHKの聖火リレーライブストリーミング特設サイトでライブ中継する。走行場所周辺では交通規制が行われる。県実行委はTOKYO2020ふくしま情報サイト「ふくしまプラス2020」で規制の場所や時間を掲載している。
■出発式は無観客
新型コロナウイルス感染防止対策として二十五日にJヴィレッジで行われる出発式は無観客となる。
聖火リレー公式アンバサダーの女優石原さとみさん、お笑いコンビ「サンドウィッチマン」の伊達みきおさん、富沢たけしさん、柔道男子で五輪三連覇の野村忠宏さん、元パラリンピック射撃代表の田口亜希さんが出席する。
大会組織委員会の橋本聖子会長や内堀雅雄知事らのあいさつに続き、郡山市の郡山五中と朝日が丘小の児童生徒が「花は咲く」を合唱する。聖火皿に聖火が点火され、第一走者の「なでしこジャパン」のメンバーが受け取ったトーチに聖火がともされ、リレーがスタートする。
各日の最終地点で聖火の到着を祝う「セレブレーション」の一般観覧は事前申込制で、既に締め切っている。