崖崩れで復元不可 いわきの「久保磨崖仏」 市文化財指定解除へ
いわき市文化財保護審議会は二十九日、同市鹿島町で二〇一九(令和元)年八月に発生した崖崩れに巻き込まれた史跡「久保磨崖仏」について、市文化財の指定を解除するよう市教委に答申した。崖崩れで指定場所ごと崩壊し、復元が不可能と判断した。
久保磨崖仏は県道小名浜・平線(通称・鹿島街道)に面した岸壁に如来形坐像が四体彫り出されていた。造立年代は鎌倉時代と考えられていたが、二年前の崖崩れに巻き込まれた。四月二十八日の市教育委員会の議決を経て、五月に解除される見通し。
崖崩れ現場からは仏像の一部が見つかり、文化財を管理する市内鹿島町の金光寺に安置されている。住職の箱崎亮弘さん(74)は「指定から外れるのは残念だが、どんな姿になっても仏様は仏様。今後は残った一部を一般の方にも見てもらえるようにしたい」と話した。