福島県内の新型コロナウイルス感染「88.2%が変異株」4月29日から9日間

 

 県は県衛生研究所で四月二十九日から五月九日までに新型コロナウイルス感染が判明した三十四人全員の検体で変異株検査を実施した結果、全国的に急拡大している変異株「N501Y」「E484K」が計三十件(88・2%)に上ったと十一日、発表した。変異がなかったのは一件(2・9%)。ウイルス量が少ないなどの理由で判定できなかった三件(8・8%)を除くと、ほぼ全てが変異株となっていた。

 県の担当者は、感染力の強い変異株への置き換わりが県内の感染急拡大に影響しているとの見方を示した。県衛生研究所には中核市(福島、郡山、いわき)のうち保健所で変異株検査を実施している福島、郡山両市を除き県内各市町村から検体が集まるため、県は県内全域で変異株が流行しているとみている。

 三十四人の変異株検査は三日から九日にかけて実施した。「N501Y」が十七件(50・0%)、「E484K」は十三件(38・2%)だった。

 県は「N501Y」の占める割合の月別推移も公表した。三月は確認されず、四月に25・6%、五月には52・4%まで拡大した。県内の「N501Y」の感染確認は、民間の検査機関や国立感染症研究所での判明分を含め、九十九件になった。

 県によると、県衛生研究所では新型コロナの感染者全員の検体で変異株検査を実施している。一方、中核市の保健所などではクラスター関連や感染拡大地域の感染者を対象としており、陽性判明数に占める検査率は約二割となっている。

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