10年間の交通指導員卒業 福島県浪江から避難佐々木さん「地域のおかげ」

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で福島県浪江町から同県白河市表郷地域に避難し、二〇一一(平成二十三)年五月から表郷で交通指導員を務めていた佐々木庸太郎さん(79)が二十日、十年間の活動を終えた。「地域の方のおかげで長く続けられた」と万感の思いを口にした。 

 浪江町権現堂に自宅があり、震災発生前はお菓子の仲卸業を営んでいた。二〇一一年五月、親戚が以前住んでいた空き家に移り住んだ。浪江地区交通安全協会副会長として活動していた経験を生かして地域に奉仕しようと、同月二十日から交通指導を始めた。 

 平日に毎朝、表郷小近くの二八九号国道にある交通量の多い交差点に立ち、学校に向かう児童やバス停を利用する中高生らが事故に遭わないよう、交通整理を行ってきた。当初は知らない土地で不安もあったが、今では多くの人と顔なじみになったという。 

 佐々木さんの献身的な活動もあり、同校では二十五日時点で二千七百二十日間、登下校時の無事故が続いているという。 

 交通指導を始めて十年の節目を迎えたことから、引退を決めた。佐々木さんは「温かく受け入れてくれて感謝している。今後も何らかの形で恩返ししていきたい」と語った。

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