アルパカで観光振興 広野町 東大から2頭提供
福島県広野町は七月、観光振興や交流人口拡大に向け、町内の二ツ沼総合公園でアルパカの飼育を始める。連携協定を締結している東京大アイソトープ総合センターなどから、がんの治療薬研究に活用されているアルパカ二頭の提供を受ける。
同センターは京都大発のベンチャー企業「COGNANO」と共同でアルパカの血液から採取した抗体を用い、がん治療薬や新型コロナウイルス検査薬の開発を進めている。町はベンチャー企業が飼育しているアルパカを借り受ける。
町は公園内のサイクルセンターの一部を改修し、飼育場所にする。センターの周辺には柵を設置し、来園者にアルパカの姿を自由に見てもらう。飼育は公園を運営している町振興公社が担う。
十日開会の町議会六月定例会に提出した二〇二一(令和三)年度一般会計補正予算案に改修費など五百六十七万円を盛り込んだ。
町は今年度、同センターの医薬品開発研究拠点として、旧広野幼稚園の改修を進めている。町振興公社の中津弘文社長は「アルパカの飼育により協力関係が深まり、研究を後押しすることにつながってほしい」と語った。