7月、合同チーム設立 福島県 避難区域設定12市町村 移住・定住を本格化

 

 東京電力福島第一原発事故の避難区域が設定された十二市町村への移住・定住を本格化させるため、復興庁や県、地元自治体などは七月に広域連携の強化に向けた合同チームを設立する。同じ時期に始まる一元的な相談窓口の移住支援センターなどの組織や移住支援金の制度と合わせ、二〇二一(令和三)年度は三百人を目標に人材の呼び込みにつなげる。

 合同チームは復興庁、経済産業省、農林水産省など関係省庁、県、避難指示区域が設定された十二市町村、福島相双復興推進機構、福島イノベーション・コースト構想推進機構などで構成し、七月九日に設立会合を開く。副知事、副市町村長らが定期的に協議の場を持ち、移住の施策の進捗(しんちょく)、課題などの情報を共有する。市町村にとっては効果的な事業を確認し、現状を国や福島県などに伝える機会になる。分科会も設け、仕事や住居などテーマごとに情報を交換する。

 合同チーム発足に合わせ県は七月、ふくしま十二市町村移住支援センターを福島県富岡町の県富岡合同庁舎に開設する。移住に興味を持つ人へ情報発信、相談対応などこれまで各市町村が個別に行ってきた業務を一元的に担う。各市町村を担当する専門職員を配置する。

 七月からは福島県外から十二市町村への移住や起業を対象にした支援金制度の受け付けも始める。移住支援は世帯で最大二百万円、単身で最大百二十万円、起業支援は最大四百万円となる。いずれも五年以上の継続した定住が条件となる。

 復興庁は福島県と十市町村に合わせて福島再生加速化交付金十九億七千八百万円を交付し、移住の独自の取り組みを後押しする。福島県田村市の林業人材確保の取り組みや福島県南相馬市の馬事文化を活用した移住・定住促進事業、広野町のコワーキングスペース整備などを支援する。

 平沢勝栄復興相(福島高出身)は十五日の閣議後会見で「できるだけ多くの人が移り住み、起業できるよう支援し、大きな活躍をしてくれることを望みたい」と話した。

関連記事

ページ上部へ戻る