9日から全日本サーフィン選手権 沿岸部の復興知る機会に 福島県いわき市

 

 日本サーフィン連盟(NSA)主催の第38回全日本級別サーフィン選手権大会は9日から11日まで、福島県いわき市の四倉海岸で繰り広げられる。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故発生後、NSA主要大会の県内開催は初めて。サーフィンが東京五輪の新競技になり、ブームとなる中、地元関係者は「本県沿岸部の復興を知ってもらう絶好の機会になる」と期待する。

 NSA検定テストで得た級区分やサーフボードの種類などで15クラスに分かれ、国内トップクラスのアマチュア選手ら約450人が出場する。

 浜通りは安定した波が押し寄せるサーフィンの名所で、NSAがたびたび主要大会を催していた。ただ、原発事故後、放射性物資を不安視する選手らに配慮し、県内での開催を見送っていた。

 NSA福島支部は5年ほど前、主要大会開催をNSAに要望したが、根強い風評などの影響で成功に至らなかった。支部は小規模な大会をいわき市などで開いて実績を積み、海の安全性をPR。浜通り各地での海水浴場再開も追い風になり、大会をたぐり寄せた。

 当初は昨年6月に予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大により今年に延期になった。感染対策として無観客とし、ライブ配信する。各クラスとも1日で競技を終える大会日程を組み、選手の滞在期間を短縮する。猪狩優樹支部長(46)=いわき市=は「全国の選手やファンに福島の海の素晴らしさをアピールしたい」と意気込んでいる。

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