【東京五輪 福島県勢勝負の夏】カヌースプリント男子と陸上男子400メートル障害

 

 ◇パワー、持久力強化―宮田悠佑選手

 カヌースプリント男子カヤックフォア500メートルに臨む宮田悠佑選手(30)=和歌山県教育センター学びの丘、安達高出身=らは盛岡市で最終調整している。「けがもなく順調」と仕上がりは上々だ。

 2019(令和元)年8月の世界選手権で五輪出場枠を獲得した4人が、同種目の日本代表に選ばれた。五輪延期を経て、スタートの加速、後半のペースアップに必要なパワーと持久力を強化した。個人の感覚と実際のスピードをすり合わせ、こぐ力を結集するため動きのタイミングを試行錯誤してきた。

 ここ2、3年は年間300日以上をフォアの選手で過ごす。高校時代にシニアで活躍していた3、4学年上の先輩と共に戦える喜びがある。「しっかり貢献したい」と奮い立つ。

 五輪はカヌーが注目される好機となる。「県内の競技人口が減る中、自分が頑張る姿を見て興味を持ったり、何かを感じてほしい」。東京湾を見渡す会場から、古里にメッセージを届ける。

 ◇伸び盛り、飛躍誓う―山内大夢選手

 陸上男子400メートル障害の山内大夢選手(21)=早大、会津高出身=は4年生の今季、自己記録を大幅に更新し、日本代表に上り詰めた。「一つでも上のラウンドで勝負したい」と、幼い頃から夢見た舞台を待ちわびる。

 会津高では父淳一さん(63)=会津陸協理事長=が陸上部顧問だった。3年時の全国高校総体(インターハイ)で2位。早大に進み、けがを乗り越えながら記録を縮めてきた。今年5月に五輪参加標準記録を切る48秒84の自己ベストをマーク。6月の日本選手権は4位で即時内定を逃したが、世界ランキングで初の代表を射止めた。

 選手だった両親は障害や中距離種目で日本選手権入賞などの実績を持つが、国際舞台には縁がなかった。「両親がかなえられなかった夢を実現できた」と喜びをかみしめる。

 これまで競技生活を支えてくれた県民への感謝は尽きない。「自分らしいレースを見せて元気づけたい」と、故郷の人々が喜ぶ姿を思い描いている。

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