「紫翠盃」がドバイ万博VIP記念品に 福島県会津若松市の三義漆器店が開発

 

 福島県会津若松市の三義漆器店の植物由来プラスチックの杯「紫翠盃」が、10月1日からアラブ首長国連邦(UAE)の首都ドバイで開催される「ドバイ国際博覧会(万博)」日本館のVIP記念品に採用された。同館を訪れる各国要人らにプレゼントされる。同社は「日本を代表する製品と認められた」と喜んでいる。経済産業省が1日、発表した。

 日本館は「日本が未来に向けて地球的な視点で『アイデアの出会い』を生む結節点となり、融合させることで、より良い世界へ向けたアクションを生み出していく」をコンセプトとしている。

 「紫翠盃」は植物由来プラスチック・ポリ乳酸樹脂(PLA)を原料に会津の職人が塗りや加飾を施している。環境に優しく、世界的課題となっている海洋プラスチックごみの削減につながると期待されている。開発製造には小松技術士事務所(いわき市)や埼玉県松山市の金型製造会社ペッカー精工の二本松営業所(二本松市)が携わった。

 同社の曽根佳弘社長(57)は「日本を代表する製品と認められ光栄だ。日本館のコンセプトのように、紫翠盃の開発製造も出会いがあって実現したことを思えば胸が熱くなる。ますます頑張りたい」と話している。

 植物由来プラスチックの特許成形技術を開発した小松技術士事務所の小松道男所長(58)は「脱炭素や海洋プラスチックごみ削減に資する『メイドインふくしま』の技術として、世界にインパクトのあるPRができる」と期待している。

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