日本酒「帰忘郷(きぼうきょう)」醸造へ稲刈り 福島県大熊町大川原地区 避難と復興支援の感謝込め

 

 福島県大熊町大川原地区の実証田で7日、日本酒「帰忘郷(きぼうきょう)」の醸造に向けた稲刈りが行われた。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から間もなく10年6カ月。これまでの支援に対する感謝を日本酒に込め、来春発売する。

 大熊町は避難先である会津若松市への恩返しと特産品開発を目的に昨年、町内で栽培した酒米で初めて日本酒を造った。「会津娘」で名高い会津若松市の高橋庄作酒造店が醸造した。すっきりとした味わいが特徴という。

 昨年は試作品だったが、今年は、おおくままちづくり公社が「大熊町日本酒プロジェクト」を立ち上げ、クラウドファンディングで資金を募った。

 高橋庄作酒造店で720ミリリットルを1600本製造する。来年2月に一般販売を開始する予定。クラウドファンディングの協賛者に返礼品として贈る。

 7日、実証田65アールで、稲刈り機が黄金色に実った酒米「五百万石」を収穫した。稲を栽培した町農業委員会の根本友子会長は「多くの支援への感謝と絆を日本酒に込めた。町内外の多くの人に飲んでもらい、大熊町に思いを寄せてほしい」と願った。

関連記事

ページ上部へ戻る