福島県の飯舘村産米 村内で初の全量全袋検査

 
 福島県飯舘村や農業関係団体でつくる「飯舘の恵み安全対策協議会」は30日、村ライスセンターで東京電力福島第一原発事故に伴う村産米の全量全袋検査を開始した。原発事故発生後、村内で検査を行うのは初めて。

 検査したのは27日に村内前田で収穫した中山間地域向けのもち米「あぶくまもち」で、30日検査分は全て検出下限値未満だった。担当者がコメ袋をベルトコンベヤー式検査装置に通すと、合格を表す青丸が画面に表示された。見守った杉岡誠村長は「村内で安全確認ができることは生産者の励みになる。農業復活に向けての機運の高まりを感じている」と期待した。

 あぶくまもちは全収量の計約870キロ(29袋)を順次調べる。今季収穫分は実証栽培のため市場に出回らず、食味や品質の調査に活用していく。

 村産米は、これまで南相馬市で全量全袋検査を行っていた。今春、村ライスセンターが完成し村内での検査が可能となった。村内の水稲作付面積は年々拡大しており、2021(令和3)年度は約176ヘクタールに上っている。

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