いわきサンマリーナ11年ぶり再開 福島県いわき市 震災の津波で被災

 

11年ぶりにいわきサンマリーナの係留設備を利用する保管艇

 

2022/06/02 08:48

 

 東日本大震災の津波で被災した福島県いわき市泉町の「いわきサンマリーナ」が1日、海上の係留設備が整ったことから11年ぶりに運営を再開した。保管艇が来港し、係留が始まった。

 同市泉町に工場を構える成田製作所の成田淳代表(62)はマリーナの再開を待ち望んでいた。いわき海洋利用者協議会や県小型船安全協会の会長も務める。成田さんは現在、茨城県大洗町の「大洗マリーナ」に保管艇を置いている。4日にいわきサンマリーナに自身の保管艇を係留する予定だ。

 震災当時、保管艇が心配になった成田さんは現場に駆け付けた。105艇ほどが流失し、津波が押し寄せているのを見て「言葉が出ず、自然と涙だけが流れた」という。

 震災から1年後に成田さんをはじめ、保管艇所有者や地元関係者が国や県に働きかけ、マリーナ復活へ向けた動きが加速した。11年ぶりの再開に「指定管理者をはじめ支えてくれた人全てに感謝したい。ようやく時計の針が動き出し感無量だ」と笑顔で語った。

 今年度は8月上旬までに15艇が係留される見込み。指定管理者で大起造船工業の水野恵一郎代表(65)は「マリーナ復活の第一歩。時間はかかるが以前の賑わいを取り戻せるよう尽力したい」と前を向いた。

 

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