震災、原発事故から再建 福島県富岡町の龍台寺で上棟式 来年の完成目指す

 

上棟式を行った富岡町の龍台寺

 

2022/06/06 09:35

 

 

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の被害から再建を進めている福島県富岡町小浜中央の龍台寺で5日、上棟式が行われた。檀家(だんか)や総代ら関係者約170人が出席し、一日も早い完成を願った。2023(令和5)年中の完成を目指し、翌2024年に落慶式を行う予定。

 龍台寺は1490(延徳2)年に建立された。戊辰戦争で亡くなった岩国藩士七人を供養する墓があるとしても知られている。1956(昭和31)年に建立された本堂は震災の揺れで損傷。原発事故による長期避難で雨漏りにより天井が落ちたため、修復を断念し、取り壊した。

 新しい本堂は旧本堂とほぼ同じ大きさで、木造平屋の約430平方メートル。屋根は入り母屋造りで、柱は直径40センチと50センチのケヤキを利用している。再建進捗率は45%で、来年中の完成を目標にしているという。庫裏、客殿、位牌(いはい)堂は完成した。

 上棟式前に、矢内隆久副住職が「落慶式を楽しみに元気で過ごしてほしい」とあいさつした。本堂の太いケヤキの柱や骨組みの下、矢内俊道住職が導師を務め、安全祈願法要を執り行った。工事を請け負っている魚津社寺工務店(名古屋市)が工匠式を行った。

 

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