首相、12日の避難解除伝達 福島県葛尾村を訪問 帰還促進への意欲強調

 

2022/06/06 10:00

 

 岸田文雄首相は5日、東京電力福島第一原発事故に伴う帰還困難区域の特定復興再生拠点区域(復興拠点)の避難指示が12日に解除される福島県葛尾村を訪問し、住民へのあいさつで解除決定を伝えた。復興拠点外については「2020年代をかけて、帰還意向のある住民が帰還できるよう取り組む。将来的には必ず、全ての避難指示解除を成し遂げたい」と従来方針を改めて強調した。

 首相は村復興交流館あぜりあの開館4周年感謝祭「あぜりあ市」の会場を訪れ、「解除決定を直接報告でき、心からうれしく思う」などとあいさつした。終了後、記者団に「避難指示解除はゴールではなくスタートだと肝に銘じ、政府として福島の復興に責任を持って取り組む。住民の思いを尊重し、自治体の個別の課題や要望を伺いながら丁寧に進めたい」と述べた。

 田村市都路町で進められている里山・広葉樹林再生プロジェクトの現場では、「林業は長いスパンで考えなければならない」などと語った。

 葛尾村の復興拠点は12日午前8時に避難指示が解除される。帰還困難区域の避難指示解除に伴い居住再開につながる初めてのケースとなる。

 

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