コンクリート製安全通路の壁面に絵 福島県相馬の中村二中 3月の地震で被災

 

完成した高岡さんデザインの壁画=9日

 

2022/07/10 09:18

 

 3月の福島県沖地震で校舎の屋根などが損傷した同県相馬市の中村二中で8、9の両日、落下物から生徒を守るため玄関前に設置されているコンクリート製の安全通路の壁面に、画家の高岡洋介さん(54)=東京都在住=と全校生徒181人が色鮮やかな絵を描いた。

 安全通路は長さ8メートル、高さ2・5メートルで、4月の新学期に合わせて市教委が設置した。PTA会長の小幡広宣さん(45)が東日本大震災を機に知り合った高岡さんに絵画制作を依頼。高岡さんは小幡さんの紹介で相馬市や宮城県などの震災被災地でコンテナの壁面などに絵を描く活動に取り組んだ経緯があり、今回も協力を快諾した。

 生徒は8日、高岡さんと作業した。メインの安全通路東側の外壁は「相馬の海」をイメージした青色の下地に、海の生き物や松川浦大橋、高岡さんが長年自身の作品のモチーフとする「目を閉じて祈る天使」が描かれた。3年生の菊地真弥さん(14)は「カラフルな絵を見て前向きな気持ちになれた」と笑顔を見せた。

 9日は高岡さんが仕上げ「災害などに見舞われた学校生活の中で、この絵が生徒の心に明るい思い出として残り、いつしか古里への愛着につながってくれたらうれしい」と話した。

 

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