相馬野馬追が閉幕 甲冑競馬や神旗争奪戦、野馬懸…3年ぶりに全行事 福島県相双地方
大観衆が見守る中、甲冑姿で疾走する騎馬武者
2022/07/25 21:19
御神旗を激しく奪う合う騎馬武者
相双地方で23日から繰り広げられてきた国重要無形民俗文化財「相馬野馬追」は25日、南相馬市小高区の相馬小高神社で野馬懸(のまかけ)の神事を行い、閉幕した。24日に市内原町区の雲雀ケ原祭場地で開かれた本祭りでは、3年ぶりに甲冑(かっちゅう)競馬や神旗争奪戦が繰り広げられた。
野馬懸では神社の境内に設けた竹矢来(たけやらい)に小高郷騎馬会の騎馬が3頭の裸馬を1頭ずつ追い込んだ。御神水(おみだらし)に浸した駒とり竿(さお)を、神前に奉納する神馬(しんめ)となる1頭へ打ち付けた。白装束をまとった御小人(おこびと)が激しく動く馬を目がけて首や体に素手でしがみついた。振り落とされながらも無事に捕らえ、献納した。
本祭りの甲冑(かっちゅう)競馬には計43人が出場した。白鉢巻きに鎧(よろい)姿の騎馬武者らが先祖伝来の旗を風になびかせ祭場地を疾走した。
神旗争奪戦では花火で打ち上げられた赤(相馬太田神社)、青(相馬中村神社)、黄(相馬小高神社)の御神旗計40本を約180騎の騎馬武者が激しく取り合った。2万人以上の観客が訪れ、盛大な拍手を送った。
一昨年、昨年と新型コロナウイルス感染症の影響で大幅に行事を縮小しながらも継承されてきた伝統行事は3年ぶりに有観客で全行事を執り行い、新たな歴史を刻んだ。