障害児支える仕事に理解 福島県いわき市の施設で「子ども参観日」
母親の仕事を体験しながら、障害を抱える子どもとの関わり方を学ぶ参加者ら
2022/08/18 09:29
福島県いわき市で医療的ケア児や重症心身障害児の日中通所支援事業を行うNPO法人ままはーとは17日、市内の施設「どりーむず」で「子ども参観日」を実施した。スタッフの子どもが仕事を通じて障害児への理解を深める新たな試み。参加者は戸惑いながらも懸命に取り組んでいた。
施設では、重い知的障害と身体障害が重複した重症心身障害児を主に預かっている。理事長笠間真紀さん(46)が子どもの頃から障害児と関わるきっかけをつくろうと企画した。スタッフの多くは子育てをしながら働いており、家族に仕事を理解してもらい、働きやすい環境を整える狙いもある。
小学1年生から中学2年生までの19人が参加した。保育や調理、事務など母親が担当する仕事を手伝った。泉小5年生の国井恒輝君(10)は看護師の母理美さん(39)の仕事を体験した。恒輝君は「ご飯を作ったり表情の読み取ったりするのが難しかった。(母親の姿は)かっこよかった」と誇らしげだった。理美さんは「障害のある子と触れあう機会は少ない。視野を広げてほしい」と目を細めた。
笠間さんは「まずは経験することが大事。障害児との関わり方を知れば、障害への壁はなくなる。今後も活動を続けたい」と意欲を見せた。