福島県福島市で営業している浪江町の総合物流業「八島運送」が古里で事業再開へ
協定書を手にする吉田町長(左)と林社長
2022/09/26 21:21
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故により福島県福島市で営業している浪江町の総合物流業「八島運送」は、町内請戸地区の南産業団地に物流施設を建設し、古里で事業を再開する。来年7月の操業開始を目指す。26日、八島運送と町が施設立地の基本協定を結んだ。
施設は地元企業の製品などを一時的に保管する。使用するほぼ全ての電力は、太陽光の再生可能エネルギーで賄う。鉄骨造り平屋で延べ床面積は約3300平方メートル。総工費は約8億円で、国の自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金を活用する。11月ごろに着工する予定で、従業員15人程度を雇用する。
町役場で協定締結式が行われ、吉田栄光町長、林富士雄社長が協定書に署名した。吉田町長は「再開は大変ありがたい。地元企業らとの相乗効果で復興がさらに前に進む」と期待を寄せた。林社長は「古里で再開したいとの思いがあった。物流の面から地元の企業をサポートしていきたい」と抱負を語った。
八島運送は震災と原発事故の影響で福島市の仮事務所に拠点を移転した。現在、市内に福島営業所を設けて営業を続けている。