開幕戦に向けて戦術の確認と技術の底上げに励む選手

 

2023/02/13 09:35

 

　２２チームで争う今季のＪ２は、Ｊ１で優勝経験のある磐田やＪリーグ創設時から戦う清水など強豪がひしめく。Ｊ２参入１年目のいわきＦＣが上位に食い込むには、チーム力の底上げが不可欠だ。

　今季、いわきＦＣは例年より早い昨年１２月に始動し、「鍛錬期」とした約３週間で筋力と走力を集中的に鍛えた。１月中旬からボールを使った練習を本格化させて技術を磨き、鹿児島で行ったキャンプでは新加入選手に戦術の浸透を図った。

　いわきＦＣは前線からボールを奪い、前へ向かう姿勢を持ち味としている。しかし、今月１日の磐田との練習試合では、足元の技術の高い相手からボールを奪いきれなかった。ただ、今月４日のＪ１浦和との練習試合では、後半も運動量が落ちることなく戦い抜き、手応えをつかんだ。技術やボールの保持力で上回る相手からどう得点を奪うか－。格上との対戦で課題が浮き彫りになった。

　村主博正監督（４６）は「Ｊ１相手にいい守備ができていた。攻撃の質をどう高めるかが鍵になる。劣勢でも引かないサッカーを貫く」と強調する。開幕に向け、攻守の切り替えの速さやボールを奪った後の位置取りなど課題の修正に取り組んでいる。

　システムは昨季までの「４・４・２」を軸にしつつ、相手に合わせて柔軟に変える方針だ。昨季Ｊ３得点王のＦＷ有田稜選手（２３）や、ＭＦ嵯峨理久選手（２４）らの主力に有望な若手が加わった。新加入のＦＷ坂元一渚璃選手（１８）は高卒ながら練習試合で先発出場し、得点を決めるなど存在感を示す。「いわきのサッカーになじんできた。開幕戦で先発し、初得点を狙う」と言葉に力を込める。

　平均年齢２３・０歳と若い選手が多く、コミュニケーションは活発だ。キャンプ中は村主監督と選手が一対一で面談し、指揮官と選手の距離が縮まった。山下優人主将（２６）は「ピッチ内で遠慮なく話し合い、プレーの質を高めることができている」と自信を見せる。

　１８日のホームでの開幕戦は同じ昇格組の藤枝ＭＹＦＣと対戦する。村主監督は「絶対、開幕戦に勝ち、地元ファンに感謝の気持ちを届けたい」と闘志を燃やす。１月の新体制発表会で山下主将は「Ｊ２優勝」と目標を宣言した。頂点を目指す戦いが間もなく始まる。