処理水海洋放出「理解醸成進んでいない」と指摘相次ぐ 経産相に福島県内の若手漁業関係者

 

西村経産相(中央)と意見交換する若手漁業者

 

2023/02/26 09:50

 

 福島県内の若手漁業関係者5人は25日、いわき市で西村康稔経済産業相と意見交換した。春から夏に見込まれている東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出について、理解醸成は進んでいないと相次いで指摘し、新たな風評が巻き起こる懸念を伝えた。

 いわき市漁協所属の男性は福島県外で処理水の認知度が低いとして、「子どもから高齢者まで理解できるよう努力してほしい」と訴えた。相双地方で遊漁船を操業している男性はいまだに続いている原発事故の風評に、処理水放出による風評が加わることを危惧した。

 福島県相馬市の漁業者は福島県の漁業の再建に向け、新規就業者を増やす支援策の充実を要請した。

 終了後、報道機関の取材に西村経産相は「インターネットの動画広告などを活用し、繰り返し処理水を丁寧に説明していく」と述べた。海洋放出に不可欠な関係者の理解を得たことを、どのような基準で判断するかについては「特定の指標はない」と答えた。

 

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