〝特別な一戦〟で歓喜 J2初勝利のいわきFC 被災地同士、思い熱く 仙台と5年半ぶり再会

 

試合後、サポーターと勝利の喜びを分かち合ういわきイレブン

 

2023/03/14 10:08

 

 宮城県仙台市のユアテックスタジアム仙台で12日に行われた明治安田生命サッカーJ2のいわきFCとベガルタ仙台の一戦。いわきは開幕から3戦勝ちなしと苦しい状況が続いてきたが、1―0で仙台を下した。J2初勝利で福島県サッカー界の歴史に新たな1ページを書き加えた。

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から12年となり、被災地を本拠地とするクラブ同士の戦いは「復興応援試合」と銘打って行われた。2017(平成29)年9月17日、福島県社会人1部リーグだったいわきは、当時J1の仙台とチャリティーマッチを実施。仙台サポーターは「頑張ろういわき 次はJで」と書いた横断幕を掲げた。5年半ぶりの再会となった。

 試合前、村主博正監督(46)は「我々は何のために立ち上がったのか」と選手を鼓舞して送り出した。今季流通経済大から加入したDF加瀬直輝選手(22)=尚志高出身=も監督の言葉を受け止め、「福島は第二の故郷。絶対に負けたくない」と思いを強くして試合に臨んだ。

 両者の魂がぶつかり合った一戦。試合終了の笛が鳴ると、選手は喜びを爆発させ、肩を抱き合った。試合後はサポーターと「いわきおどり」で喜びを分かち合った。

 「何とか勝ち点3を届けたかった」。試合後、村主監督は声を弾ませた。MF山下優人主将(26)は「サポーターの力なくして今日の勝利はない。必死に戦う姿で元気や希望を与えたい」と感謝した。

 

関連記事

ページ上部へ戻る