桜並木、最後のきらめき 台風被害の堤防工事で伐採へ 福島県いわき市 小川地域の夏井川沿い

 

ライトアップされた河川敷沿いのソメイヨシノ

 

2023/04/02 09:32

 

 福島県いわき市小川町三島の夏井川沿いで桜並木が1、2の両日、ライトアップされている。付近では2019(令和元)年の台風19号で堤防が決壊した。復旧工事に伴い、桜の木は年内に全て伐採される。近隣住民が見納めとなる桜の姿を名残惜しそうに眺めていた。

 桜並木は川沿いの約1キロで、44本のソメイヨシノが並ぶ。地元の景色を彩ろうと2004(平成16)年に小川地域振興協議会が植えた。地域の憩いの場として親しまれたが、台風19号による水害で6本が流されてしまった。

 昨年6月、県から堤防の拡幅工事で桜を伐採すると通知があった。地域からは難色を示す声もあったが、水害のリスクを考えるとやむを得ないと受け入れた。県に対し、整備後の堤防に桜の苗木を植えるよう要望している。

 「まだ若い木だったので本当は残してほしかった」。桜を管理する振興協議会の長谷川伸一会長(72)はせめて最後に美しい姿を記憶に残してもらおうと、ライトアップを企画。1日は近隣住民らが訪れ、別れを惜しんだ。近くに住む松本利之さん(54)は「息子たちが植えた桜もある。もったいない」と桜を見つめた。

 

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