響く「千灯」の掛け声 松明担ぎ勇壮に参道駆け上がる 福島県富岡町で4年ぶり「麓山の火祭り」
燃えさかる松明を担いで山を登る若衆=15日、福島県富岡町
2023/08/16 09:17
福島県富岡町の県重要無形民俗文化財「麓山の火祭り」は15日、町内上手岡の麓山神社で行われた。新型コロナウイルスの影響による中止を経て4年ぶりの開催で、25人の若衆が担ぐ松明(たいまつ)が神社周辺を真っ赤に染めた。雨が降っていたが、若衆は気に留めず懸命に参道を駆け上がった。
上半身裸の若衆が長さ2メートルを超える重さ30~40キロの松明に火を移した後「千灯(せんどう)、千灯」の掛け声とともに境内を出発し、標高230メートルの麓山を登った。山頂から下りてきた若衆は神社の周りを歩き回った後、万歳三唱で祭りを締めくくった。体に降りかかる火の粉をものともしない勇ましい姿に町民から拍手が送られた。
火祭りは約400年の歴史があり、五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災、家内安全を祈る。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の発生に伴い休止したが、2018(平成30)年に復活した。