香港で日本酒販売開始 福島県浪江町の鈴木酒造店 おいしさ、安全性を世界に発信
香港で販売を開始した鈴木酒造店の酒
2023/08/30 09:23
福島県浪江町の鈴木酒造店は香港の中心地にある酒販売店・バー「Sake Central」で日本酒の販売を始めた。東日本大震災の津波で被災し、2021(令和3)年に古里で酒造りを再開して以降、海外に輸出して売り出すのは初めて。浪江産の酒の味や安全性を世界に発信する。
震災と東京電力福島第1原発事故の被災地で食産業を支援する「東の食の会」が仲介した。津波被害に伴い、避難先の山形県長井市で製造した酒を含む6種類の日本酒、甘酒1種類の計7種類を販売している。
香港では福島第1原発の処理水海洋放出開始を受け、水産物の輸入を禁止するなど懸念の動きが出ているが、酒は25日の販売開始以降、現地の顧客から好評を得ているという。Sake Centralの遠藤隆史ダイレクターは「状況を理解して応援してくれるお客さまもいる。(鈴木酒造店の)おいしい酒を広めていきたい」としている。
鈴木酒造店の鈴木大介社長は「海外の方々にも浪江の風土を感じてもらえればうれしい」と期待を寄せる。東の食の会の高橋大就専務理事・浜通り地域代表は「処理水の海洋放出で大変な状況は続くが、今後も被災地をはじめ、東北の食材を輸出するサポートをしていきたい」と決意する。
販売を開始した7種類は次の通り。
磐城壽 さざなみ、磐城壽 もやい離せ!、磐城壽 貴醸泡酒、クラシックスタイル「浪」、モダンスタイル「江」、甘酒「吟麹」、磐城壽 夏酒吟醸