移住定住促進に注力 地元住民との交流も増加 福島県楢葉町、避難指示解除から5日で8年
2023/09/04 09:08
東京電力福島第1原発事故に伴い福島県楢葉町に出されていた避難指示が解除されてから5日で8年となる。町は移住定住の促進や、交流人口の拡大に向けた取り組みに力を入れている。
町は原発事故でほぼ全域が避難指示解除準備区域になった。2015(平成27)年9月5日に避難指示が解除された。今年7月末現在の町内居住者は4346人で、住基人口6547人の66.4%となっている。
町内には移住定住の相談窓口を設けた施設「CODOU(コドウ)」や町地域活動拠点施設「まざらっせ」が開所しており、地元住民と移住者による交流が増えている。町は移住者による起業の支援などを通して、全ての町民が安心して暮らせるまちづくりに取り組んでいる。
東日本大震災と原発事故の発生後、町内の農業再生の柱に位置付けられているサツマイモ栽培は今年で6年目を迎えた。地元農業者による「JA福島さくらふたば地区楢葉町甘藷(かんしょ)生産部会」の発足により、町内の栽培面積は約57ヘクタールまで拡大した。4月には特産品開発センターが完成し、加工品をつくる設備が整うなど、6次化産業の推進にも期待がかかる。