創立100年記念式典で伝統つなぐ誓い 原発事故で休校の福島県の双葉高
校歌を歌い、心を一つにする同窓生ら
2023/10/09 09:54
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で休校となっている福島県双葉町の双葉高の創立100年記念式典は8日、双葉町産業交流センターで行われ、同窓生らが母校の伝統を後世につないでいく誓いを新たにした。
約250人が出席した。松本貞男同窓会長が「100年の歴史は地域の皆さんの温かい支援と協力、それに応えた生徒の精進の積み重ねで築かれた。伝統を一人一人が継承していくことがさらなる発展につながる」と式辞を述べた。伊沢史朗町長が町の復興を成し遂げると決意し、大沼博文県教育長があいさつした。
佐藤宏隆副知事、鈴木芳人県高校長協会長(安積高校長)が祝辞を贈った。歴代校長やPTA会長らに表彰状や感謝状を贈呈した。川内村生まれ・富岡町育ちのミュージシャン渡辺俊美さん(1985年卒)が、自身が作曲し、南相馬市出身の作家志賀泉さん(1979年卒)が作詞した賛歌「百年の樹」を演奏した。全員で校歌を歌い、心を一つにした。
同窓会、創立100年記念事業実行委員会、町の主催。双葉高は1923(大正12)年に旧制の県立双葉中として開校した。質実剛健・終始一貫の校訓のもと、約1万7600人の卒業生を輩出。野球部は全国高校野球選手権大会(夏の甲子園)に3度出場した。原発事故により避難を強いられ、2017年3月に休校した。