複合災害の教訓、語りつなごう 初の伝承者育成講座が開講 福島県双葉町で来年2月まで

 

震災直後の経験を語り合い、語り部について考える受講者ら

 

2023/10/15 10:28

 

 東日本大震災・原子力災害体験の伝承者育成講座は14日、福島県双葉町の町産業交流センターで開講した。受講者は来年2月まで、語り部の役割や地域の思いを共有するとともに、伝わりやすい話し方を身につけ、複合災害の教訓を未来に向けて語りつないでいく。

 県内の震災語り部の17団体で設立した連携組織「東日本大震災・原子力災害ふくしま語り部ネットワーク会議」の主催。ネットワーク会議は次世代伝承者育成プログラムを検討するプロジェクトチームを設置し、研修内容や講座の日程を協議してきた。今回、初めての講座を開いた。

 ネットワーク会議の会員で語り部歴が3年以内の5人が受講した。開講式で青木淑子会長(NPO法人富岡町3・11を語る会代表)が「語り人の点をつないでいこう」と呼びかけた。

 青木会長は自身の経験を踏まえ、語り部の役割を講話した。受講者はワークショップで震災直後の経験や語り部としての自身の思い、伝えたいメッセージなどを語り合った。ふくしまリアリの山口祐次代表がよくある質問・震災知識をテーマに話した。プロジェクトチーム座長の福島大の前川直哉准教授が進行した。

 12月に2回目の講座を開き、来年2月に今年度最終となる3回目の講座で、受講者が成果を発表する。

 

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