エアレースXの優勝トロフィー作る 福島県南相馬市の小浜製作所 初代王者・室屋義秀さんの手に

 

トロフィー製作に携わった(左から)二谷さん、鈴木さんと川岸社長

 

2023/11/19 09:19

 

 精密機械加工を手がける福島県南相馬市の小浜(こばま)製作所は、福島市のエアロバティック・パイロット室屋義秀さんらが創設した軽飛行機の国際大会「AIR RACE X(エアレースエックス)」の優勝トロフィーを製作した。室屋さんが初代王者に輝き、トロフィーは福島県に〝帰還〟。製作に携わった若手技術者は「貴重な経験ができた」と喜んでいる。

 室屋さんが代表の航空マーケティング会社「パスファインダー」を通じ、9月に製作を依頼された。航空機やロケット、人工衛星などの部品も扱う高い技術力が評価された。

 「若手にものづくりの楽しさを味わってほしい」という川岸邦彦社長(46)の意向で、ともに南相馬市の県テクノアカデミー浜出身で入社6年目の鈴木大将(だいすけ)さん(26)と1年目の二谷知輝さん(21)が担当した。二谷さんはテクノアカデミーで、パスファインダーが協力して軽量飛行機を組み立てる「リアルスカイプロジェクト」に参加していた。

 鈴木さんと二谷さんは平面のデザイン画をもとに立体の部品を考案。高性能の加工機械を駆使してアルミニウムを削り、滑らかな曲線が重なる独特のトロフィーを仕上げた。

 10月に行われた表彰式では、トロフィーを手にする室屋さんの姿が動画投稿サイトで世界に発信された。11月14日には、内堀雅雄知事を表敬訪問した室屋さんがトロフィーを紹介した。

 鈴木さんは「加工機械の性能をフルに発揮できた」と振り返り、二谷さんは「加工を深く学ぶ機会になった」と話した。川岸社長は「モットーであるチャレンジスピリットを生かすことができた」と喜んでいる。

 トロフィーは福島市のふくしまスカイパークに展示されている。

 

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